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富永直之・パラオ在住。ダイビングショップ・ブルーマリンのダイビングガイド。


by bmtomi
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なぜゲメリスには。。。

先日会員サイトにウーロンエリアでの
調査ダイブの模様をUPしました。

2月の満月前のダイビングでしたので、
予想外にバラフエダイの群れがいました。
数はそんなにたくさんはいませんでしたけどね。

なぜゲメリスには。。。_c0100239_12491164.jpg

おそらく普段も群れているわけでもなく、
満月前なので集まってきたのだと思っています。
パラオフリークの方はご存知でしょうが、
パラオでは毎月満月前になるとバラフエダイは群れをつくり、
早朝に放精放卵を行っています。

このバラフエダイの群れが出る場所としては、
ウーロンエリアのシャークシティー、
ペリリューエリアのペリリューカット、
北部のテールトップが有名です。

さらに通な方にとっては、
ウーロンチャネルにも群れが出ることをご存知ではないでしょうか?
つまりウーロンエリアには、シャークシティーとウーロンチャネルの
2か所に群れが出ることはお客さんも知る事実です。
そしてこの2か所以外にも、
ウーロンエリアにはもう1か所群れが出る場所を知っています。
そして今回の場所です。
つまりウーロンエリアには4か所も
バラフエダイの群れが出る場所があるということです。

翻ってパラオで最も有名なダイビングポイントである、
ブルーコーナーやジャーマンチャネルのあるゲメリスエリア、
こっちのエリアでは今のところ、
バラフエダイの群れが出てくる場所を確認していません。
何でですかね~???
ゲメリスエリアに散らばっているバラフエダイは
放精放卵しない、なんてありえないわけで、
満月前になると、どこでどうしているんですかね~???

あまり意識したことはないですが、
ちょいちょい婚姻色を出しているバラフエダイは見かけます。
群れをつくらず個別にチョロチョロ放精放卵をして
済ましているのかもしれませんが、
そんな程度では済まない数がゲメリスエリアに住んでいると思うので、
これもあまり納得できず。。。

うーんよくわかりません。
いや~海の中は不思議がいっぱいですね!

ではまた~

# by bmtomi | 2022-03-17 13:11 | 調査ダイビング

ツノダシの話 その2

今回もまたツノダシの話を少し。
といってもオチは例のパターンですのでご容赦ください。

2月にブルーコーナーツノダシを見に行った日のことですが、
1本目、2本目とツノダシを堪能したあとは、
お昼休憩をとるために、
ブルーコーナーの上げ潮側のブイを取って停泊していました。
ランチ後、13時くらいでしょうか?
船底掃除をしていたら、ブルーコーナーのほうから
20匹ぐらいのツノダシの群れが、
ブルーコーナーから遠ざかる方へ移動していったのです!!!

・・・・・

だからどうしたの?ということなのですが、
これがちょっと不思議なんです。

ツノダシは産卵期間中、朝からこうした少数の群れが随時集まってきては
大きな群れとなり沖にでていくのですが、
おそらく日が暮れ沖に出られなかった群れは、
また少数の群れに戻って一度解散、また明日!
という行動をとっているのではないかと思っています。

でもその時はまだ真昼間。13時です。
まだまだ集まってきますし、午後も何度か沖に出ていくはずです。
その20匹ぐらいの群れは、実は寝坊してしまい
今日これからからコーナー以外のツノダシが集まっている場所に向かっているというより、
コーナーの群れから別れてきたツノダシの群れと考えるのが自然です。
ブルーコーナーではまだまだ何かしたいツノダシたちが山盛りで群れています。
13時という時間で群れから離脱するツノダシの群れって
なんなんでしょう????という不思議なのです。

考えられるのは
①みんなと合流して集まったものの、なんかやる気が出なくて帰ってきた数匹のメスと
 それにくっついている多数のオスというグループ。
②沖に出て産卵?を終えたので、今日はもう終了、ということでコーナー方面から帰ってきた
 メスとオスのグループ。

ということなんですが、
①とすると、そんな事ってあるんかいな?という疑問です。
 人間じゃあるまいし、魚はやる気もくそもなく、
 この時期集まるのが散乱だとすると、その産卵時期には必ず
 当然産卵すると思うんですよね。彼らの本能ですから。

かといって②だとすると、ツノダシは沖に出ていったあと、何をしてどうなるのかわかりませんが、
とにかく沖から帰ってきたツノダシ、というのも見たことがないので
なんかこれもイメージわかないんですよね。

という事で結局はそのツノダシ達から答えを聞かないと真相はわからないわけですが、
一方でまだガンガン盛り上がっているのに、ス~とその群れから遠ざかる集団というのが
どうにも不思議だった、というお話でした。

ではまた~

# by bmtomi | 2022-03-07 18:28 | ダイビング

ツノダシ

先日ツノダシの群れの動画がFBとインスタにUPされました。
ここ10年で一番の群れの規模!
嘘でも誇張でもなく数千匹レベルで集まってましたよ!
ツノダシを狙うサメも100匹以上の数で集結していました。
いや~ほんとすごいです。

このツノダシの群れ、
こんなに集まるのはおそらく産卵のためだと言われていますが、
この時点では誰も放精放卵行動を確認できていないので、
おそらく、という言い方になります。

ここまでわかっていることは
①時期になるとあちこちから少数グループが集合場所に集まってくる
②そうして数がまとまった群れは、タイミングをみてタワーのようにせりあがっていき、
 その先端部分はタワーから離れて水面付近まで浮上して沖へ向かう
③該当期間中に①と②を繰り返す

ここまでです。

ここから先、沖に出たツノダシが何をしているのか?
というのが確認されたことが無いのです。
なぜならそもそも沖に出るところまで見るのが難しいうえ、
ブルーコーナー、シアスコーナーの群れは、沖に出た後には全速力で進んでいくのです。
*それ以外の場所で沖だしを見たことが無いので、
 他の場所だと、どの程度の速力でどれくらい沖に行くのか?僕はしりません。

先日ブルーコーナーで見たときも、おそらくその日の一発目の沖だしだったのでしょう。
周辺にいたサメがすべて群れの後を追って沖へ殺到していきました。
沖といってもリーフから数百m?1㎞以上?沖に出ているようで
沖に出た先で何をしているのか?とても確認しきれません。

このツノダシの群れは、
パラオではブルーコーナーとシアスコーナーで見られることが知られていますが、
この2か所だけに集まるわけではなく、
バリアリーフの中から外まで、実はいろいろなところで群れているのです。
群れを見られる確率と、そして大量に集結するサメが
見る者の興奮度を高めるので、この2か所が観察ポイントとして有名なだけです。

ブルーコーナーやシアスコーナーだけを考えていると
安全なリーフを離れ、なぜ沖合の無防備な水面下に出るのか?
サメに狙われ放題じゃないか?
これはツノダシの自殺なのか?産卵なのか?と不思議になりますが、
前述の通り、ツノダシはあちこちで群れるので
全体で見ればこの方法が彼らにとっては有効な子孫を残す手段なのでしょう。
そうでなければ太平洋からインド洋の広い範囲に生息分布を広げ、
繁栄できるわけがないと思います。
それにサメの多いこの2か所といえど、すべて産卵行動が失敗するとは思えません。
なぜなら8年前のシアスコーナーでは、
1回目の沖だしの群れがサメを引き連れ沖に出た後に、
すぐに別の群れがサメに一切狙われずに沖に出て行ったからです。
その時のレポートはこちら
↓↓↓
https://bmtomi.exblog.jp/23150891/

こういう話の終わりには僕はいつも魚の世界はわからないことだらけだ、
と都合のよいセリフを言って締めくくってしまいますが、
そもそも少数で産卵行動をすれば捕食者に狙われにくいと思うのですが、
ある程度集結する必要があるみたい???だし、
サメの多い場所に集まらなければ成功しやすいと思うのですが、
なぜか外敵の多いブルーコーナーとシアスコーナーに数多く集まります。
不思議ですね~。

いずれにせよツノダシ以外にも
群れるのは知っているけど、なんのために?そして何をしているのか?わからない、
という群れは他にもあります。
パラオのダイバーになじみのある所では
ミヤコテングハギとかオキフエダイですね。
ミヤコテングハギやオキフエダイの話はまたの機会に譲るとして、
つらつら思うまま書いてしまい長くなったのでこの辺で。

それではまた~

# by bmtomi | 2022-02-16 14:18 | ダイビング

時代

先日、南の大酋長が亡くなられました。
パラオには北と南、すなわちマルキョクとコロールには
2大酋長という方がいて、
そのうちのコロールの大酋長が亡くなられたのです。
この大酋長の重みや権威というのは
外国人にはちょっとわかりにくいですが、
日本人でいうと天皇陛下がお亡くなりになられた、
というような衝撃ではないかと思います。

喪に服す、という意味でしょうが、
翌日からロックアイランドへの立ち入りや、
コロール、マラカルでの市民の憩いの場の閉鎖が発表されました。
ちなみに先の大酋長がなくなられたのは約50年前だそうです。

パラオが国境封鎖をして1年8か月。
この間にパラオは時代の変わり目を感じさせるかのように、
戦中、戦後世代の著名な方々が次々にお亡くなりになられています。
ご冥福をお祈りします。

# by bmtomi | 2021-11-07 12:08 | その他パラオ
先日バベルダオブ島、東側リーフの調査ダイブの模様を
会員サイトにUPしました。

このエリアはかれこれ10年以上前から
折を見ては調査を続けていますが、
今のところ、ダイビングポイントとして使えそうな場所は
1つも見つかっていません。
今回配信した中では最後の其の3が一番いい線いきましたが、
今一歩足りず、というところです。
オオメカマスの群れでもいればよかったのですが、
ショートドロップオフから北へ行くと、
今のところオオメカマスの群れを見たことはありません。
バラクーダも小さな群れは見ますが
大きな群れは見たことがありません。
ギンガメアジも大きな群れはおらずパラパラしかいません。

ちなみにバベルダオブの島を挟んで西側には
ウエストパッセージやユーカクチャネルなどがあります。
サンゴも豊富、マンタもいるし魚影も濃い。
なぜ島を挟んで東と西ではこうも違うのか?
ここから先は僕の勝手な推測ですが、
東側は絶えず北赤道海流があたり波が荒いため
基本的にはミドリイシ系の比較的脆いサンゴが育ちにくい、
サンゴの種類と量が少ないため、
小魚の種類と数も他のエリアに比べて少ない。
小魚が少ないから、それを餌とするカマスやアジの群れなどもいない。
そしてエリア一帯に大きな水路がいくつもあるため、
大量のプランクトンが安定して集約されにくい地形なのも
他のエリアに比べてイマイチの魚影となってしまう原因。

以上が僕の勝手な推測ですが、
なんにせよ難しいエリアだな~という印象が
調査のたびに強くなっています。
バベルダオブの東を残らず調査できたわけではないですが、
ある程度の要所はかなり潜り込んでいます。
しかしこれだけポイントが見つからないと、
今後、例えばポツンとどこかに1個だけポイントが出来たとしても
そんな飛び石みたいなポイントは、そこに潜りに行ったらそこしかないわけですから、
よほど他のエリアにはない要素がないと
(例えばペリリューコナーのロウニンアジの群れのように)
潜りにいけません。
なのでバベルダオブの東は難しいな、という印象になってきているのです。

でも調査する前から決めつけや思い込みで評価を定めてしまうと
実はとんでもないものが!
飛び石でも十分通用するようなすごいものが!
未だ人知れずに潜んでいたとしても発見できないでしょう。
なのでコツコツ調査は続けてますが、なかなか難しいですね~。

ではまた

# by bmtomi | 2021-09-06 11:43 | 調査ダイビング